Cologne Sanskrit Lexiconを手元で無制限に使いたかったのでSanskrit Dictionaryのクライアントアプリを自作した話

この記事は「とんえぼ老人部 Advent Calender 2025」の15日目です。

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14日目はえぞえーすのセカライ5th感想(後半ネタバレあり)でした。オタク超えたすぎる。


皆さんはCologne Sanskrit Lexiconをどのくらい使っていますか?

おそらく大半の方はMonier-Williams Sanskrit-English Dictionaryか、Böhtlingk and Roth Grosses Petersburger Wörterbuchあたりをよく使っているのではないでしょうか?

私も基本的には単語を調べる際にその2つを使い、場合によってGrassmann Wörterbuch zum Rig Vedaも用いることがあるというような状況です。

とっても便利なCologne Sanskrit Lexionですが、使い込んでいるとどうしても不便を感じてしまう場面がちょくちょく出てきますよね。

まず、検索のレスポンスに数秒のラグがあります。普段使っているときはそんなに不便でもないんですが、綴りが不明確な単語などを調べるときには何度も連続で検索をかけるので、その数秒を待つのも少し面倒です。バックエンドがPHPなのでそこはどうしようもないのかもしれませんが……。(もしかしてXMLファイルのままPHPで検索かけてるのか?)

次に不便なのが、検索のレートリミットです。これも普段の使い方ではそんなに問題があるわけではないんですが、連続で何度も検索をかけるとレートリミットに引っかかってしばらく応答が無くなることがあります。綴りを間違えたりして検索し直すことが何度もあるとわりとすぐ引っかかるので、そういうときはちょっとストレスが溜まったりもします。

これが解消されればとっても便利なのに……。ついでにローカルで見れればオフラインでも辞書が使えて最高なのに……。



ん?



待てよ……?



それ、自分で作れば良くね?



………………。



というわけで、完成品がこちらです。

その名も"Sanskrit Dictionaries"! いやテキトーすぎだろ。

こちらはローカルでMonier-Williams Sanskrit-English DictionaryBöhtlingk and Roth Grosses Petersburger Wörterbuchを参照することができる、簡易的なクライアントアプリになっています。

見てのとおり画面左側の検索欄からKyoto-Harvard方式で単語を入力して検索すると、右側のボックスに検索結果が表示されるようになっています。

辞書は現状だとMWとPWGで検索をかけることができ、アクセントの表示・非表示を切り替えることができます。

また、検索した単語はブックマークすることも可能で、右上の「ブックマーク」欄で確認することができます。他にも検索した単語にノートを付けることもできるので、単語を調べたあとでメモを残したいときなどに便利です。

単語の検索は最初の一度だけ数秒かかりますが、その後は一瞬で検索完了します。そして単語のデータはローカルに保存したものを参照するので、ネットワークの通信によるオーバーヘッドやアクセス制限のレートリミットも存在しません。無限に検索し放題です。

つまり、最強です。

技術スタック

このアプリはTauriを使用しています。

TauriはバックエンドにRustを、フロントエンドにTypeScript/JavaScriptを使用することで軽量かつシンプルにGUIのデスクトップアプリケーションを作成できるフレームワークです。

フロントエンドのTypeScriptのランタイム環境はBunを使用しました。ビルドしたらOSごとのWebViewを使用することになるのでここは別に何でも良いと思います。

フロントのUIライブラリはSvelteを使用しています。とにかくパフォーマンスを良くしたかったので、Reactの採用は見送りました。

フロントの役割はUIの描画のみで、重い処理は全てバックエンドのRustに任せる形になっています。

バックエンドのRustは色々な役割を受け持っています。

まず、辞書データはCologne Sanskrit LexiconからダウンロードしてきたXMLファイルです。これをXMLファイルのまま検索に使用するとパフォーマンス的にはそんなに良くないので、XMLをパースしてSQLiteデータベースにインポートしていきます。フロントエンドでKH方式で入力された検索語句はバックエンドにそのまま受け渡して、KH→SLP1方式に変換し、SQLiteでの検索を実行します。取得した検索結果はバックエンドでHTMLの形式に変換してフロントエンドに受け渡します。

ここまで全部Rustで実行することにしました。退屈なことはRustにやらせよう。

開発の手順

このアプリの開発はChatGPTとCodex CLIのパワーを借りてVibe Codingで済ませています。おわり



だけだとつまらないので、一応何をどこまで任せて、どこからは自分でやるのかだけ書いておきます。

まず要件定義は自分でやります。当たり前ですが、自分が何を求めてものを作るのかは自分にしか分かりません。頭の中にある仕様をひたすら言語化してプロンプトとして投げていき、ChatGPTに「壁打ち」していきます。

たまにChatGPTに「チャッピー」などの愛称を付けて呼んだり人格を見出そうとしたりする人がいますが、自分の中では生成AIに人格性を見出すことはできないので絶対に「壁打ち」と言います。

皆さんにもわかりやすいよう仏教の教義の面からも言っておくと、生成AIには識の連続性がないので有情(生命)とは呼べません。そんなものに人格を見出すのはやめましょう。

話が逸れたので戻します。

壁打ちしまくって大体の内容が固まったと思ったら、そこまでの議論の内容をMarkdownとしてダウンロード可能な形式に出力させます。これが当面の仕様書です。

開発用のプロジェクトのディレクトリは自分で作ります。別にAIに任せてもできるのかもしれませんが、自分でやったところで大した労力ではないのでこれくらいは自分でやりましょう。

ちなみにTauriとBunの組み合わせで開発を開始すると、環境によっては最初のbun installで依存関係がうまく解決できなくてbun run tauri devしたときにコケます。コケました。

わざわざnpm installをやり直す必要があるのでここはちょっと面倒ですが、AIにエラー文読ませて丸投げすると大変なことになるので絶対に手動でやります。

プロジェクトを作成したら、あとはコーディングエージェントを立ち上げて仕様書を読ませてひたすらVibe Codingです。

ここで一つ注意です。

Vibe Codingをするうえで最も大事なことがあります。それは………………



~ vibes ~



です。

流れに身を任せ、ひたすらコーディングしていく様子を見守りましょう。

コードが一通り出来上がったら、フォーマッターやリンターでチェックしつつ、できるなら目視でもざっと確認してbun run tauri devを実行します。

大抵はUIがめちゃくちゃだったりバックエンドの関数が動いてなかったりするので、ひたすらデバッグしてその内容をコーディングエージェントに投げます。あとは完成するまでひたすらこの繰り返しです。

適宜Gitでバージョン管理したりしましょう。手戻りがあるとダルいので。

完成したらbun run tauri buildでビルドして、/src-tauri/target/releases/bundleあたりのディレクトリにあるインストーラーからWindows版のアプリをインストールしてゲームセットです。

開発中に仕様の不備を見つけたり、機能を追加したりしたくなったら、その内容を詳細に伝えて内容を整理させ、仕様書に追記させましょう。あと作業中に適宜コンテキストを/compactしたりすると思うので、そのときに仕様書を読み直させたりすると良いですね。

正直な話、手順のほとんどは最初に仕様書をどこまでガッチガチに詰めるかにかかっていると思います。世間でよく言われている「AIコーディングは設計が9割」みたいな言説はわりとそのとおりだなと実感しました。

でもやっぱり、いちばん大事なものは

~ vibes ~

ですね。

作ってみてどうだったか

起動速いし検索も速いし必要な情報はちゃんと見れるので最高。Tauriはビルドしたバイナリのサイズが小さくてストレージを圧迫しないのも素晴らしいです。そもそもそんな大規模のアプリじゃないから当たり前ではあるんですが。

ちなみに、作ったあとでGoldenDictという辞書クライアントアプリが存在することを知りました。

GoldenDictは非常に高機能なアプリケーションらしいのですが、Windows環境への対応状況が不明だったので諦めました。

他にもElectronベースで開発されたCologne Sanskrit Lexicon用の辞書クライアントアプリがあるという情報も得たのですが……Electron……。

結局、パフォーマンス重視でやりたかったので、目的を達成するには自作するしかなかったんだなと思います。

開発に要した期間も土日2日間(と直前の金曜深夜)くらいだったので、コンパクトなアプリを作るならVibe Codingでも全然アリですね。

ちなみに今のバージョンにはバグがあり、アクセント表示を消すと検索結果の詳細欄のスタイルが全部崩れます。最悪。

バグを取ったり色々機能を追加したりして、ソフトウェアのライセンスをどうすべきか確認が取れたらそのうちこのアプリを公開するかもしれません。

おわりに

AIコーディング、すごいですね。素人でも小規模なアプリだったらRustとTypeScriptを全く書かずに実装してもらうことができました。正直なところ一般人にはあまりにも過ぎた力だと思います。

AIに識の連続が無くて本当に良かった。

最後に一つだけ。

~ vibes ~

を大事にしていきましょう。


明日は相生あおはの「【音屋向け】ピアノ音源辛口レビュー」だそうです。

コミックマーケットC106に参加した感想とC107参加に向けて

この記事はとんえぼ老人部 Advent Calender 2025の13日目の記事です。

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12日目は相生あおはの【いつもの】買ってよかったもの2025でした。

記事の最後で紹介されていたデスクエクステンダーを「デス/クエクステンダー」と読んで「クエクステンダーってなんだ……?」と真面目に考えてしまいました。


はじめに

皆さんは同人イベントにサークル参加したことはありますか?私はあります。

先日の8月16日に開催されたコミックマーケットC106にて、人生初のサークル参加を経験しました。

サークル設営後の様子

顔隠してますが設営完了してイベント開始前のタイミングなので超ウキウキです。

この記事では、このときの感想を書いていこうと思います。

頒布したもの

まず、当日頒布したものについてです。

同人誌の『スメールの地名がちょっとわかる本 付録:六大学派の語源を辿る』を出しました。

C106で頒布した本の表紙

表紙・裏表紙と本文中の挿絵については、それぞれ友人に依頼して描いていただきました。

本文は全34ページ/1000円とやや強気な価格設定でしたが、多くの方が手に取ってくださったおかげで印刷した部数の大半が捌けました。嬉しい。

内容はその名の通りスメールの地名についてちょっとわかる解説をしている本です。

自分の専門分野であるサンスクリットや、その姉妹言語であるアヴェスタ語由来の地名について解説しています。

名前のもとになった単語の意味や語源、神話的な由来があるものはそれらの記述を実際に引用したりしつつ、学術的な知識が一切なくてもある程度読めるものを目指しました。

本の後半は以前にnoteで出した記事の再掲で、アヴェスタ語由来の固有名詞を語源から解説するという内容になっています。こちらはガッチガチに歴史言語学の話をするテイストになっているので、もしかすると専門外の方にとってはやや難解かもしれません。ですが、同人誌なので好きにやらせてもらいました。

ちなみに電子版も出しました。Boothで購入できます。

【C106】スメールの地名がちょっとわかる本

参加してみてどうだったか

楽しい!!!!

コミケ参加の楽しさは色々あります。ものを作って世に出す楽しさ、それを色んな人に見てもらえる楽しさ、そしてシンプルにイベントごとに参加することの楽しさ……。

イベントへのサークル参加そのものは友人の手伝いで何度も経験があり、コミケでの売り子の経験も一応ありましたが、自分がサークル主として参加するのはそれと全く違う楽しさがあります。

自分の作ったものが世に出る!そしてそれが他の人の手にわたる!

こんなに楽しいことはなかなか他にないでしょう。その機会があらゆる人に開かれているというのは、偉大なことだと思いました。

会場での設営・撤収や離席中の諸々は当日手伝ってくれたえぞえーすのおかげでスムーズでした。ありがとうえぞえーす。ちなみに、この記事が参加しているアドカレの明日の記事担当はえぞえーすです。

また、逗子先生が描いてくださった素晴らしい表紙をそのままポスターとして印刷したところ、多くの参加者の目に止まったらしく、通りすがりの人が弊サークルの話をしているのもチラホラ聞こえてきたりしました。

スペース内のテーブル上では、書見台に見開きで見本誌を置いていたところそれも多くの方が足を止めてくださるきっかけになったようです。こちらも、いもねぎが描いてくれた素晴らしい挿絵を見開きで見せたおかげだと思います。

ちなみに、当日のコミケ会場は空調がわりと効いていて結構快適でした。弊サークルのいた東ホールは面積に対して人口密度がちょうどよかったようで、そこまでしんどい思いはせずに過ごせたので良かったです。人気ジャンルが密集していた西ホールはだいぶ暑かったんですが、何よりも西→東の移動の際に道路に出て移動するのがしんどかったです。東ホールに戻ってしまえば自サークルのスペースで過ごせるので快適でしたが、少しでも気を抜けばあの移動だけで熱中症になってたかもしれません。

ここ最近の夏コミはもう本当に文字どおり死ぬ可能性があるような環境だと実感しています。コミケは戦場だ……。

C107参加に向けて

C106で出した本はスメールの半分くらいまでを紹介して終わってしまったので、残り半分を紹介する本を来たる12/30-31のコミックマーケットC107で頒布する予定です。

参加日は1日目の12/30で、サークルのスペースは東7ホール N38bです。弊サークル「七宝伽藍」をよろしくお願いします。

本はこの記事投稿時点で絶賛執筆中です。頑張って完成させます。

ちなみに、本を書くにあたって単語を辞書で調べるのが意外と時間かかるなと思ったので、普段使用しているCologne Sanskrit Lexiconの辞書データベースから公開データを引っ張ってきてローカルで辞書検索ができるようにするアプリをVibe Codingで作ってしまいました。単語を入力して検索結果が返ってくるまで数秒かかってたのが一瞬で表示されるようになったので嬉しい。

テスト直前に掃除が捗って勉強が進まない人みたいなことやってますね。夏のときもサンスクリットのローマ字表記用のVSCode拡張機能を作ったりしてたので、そういう性分なんだと思います。

おわりに

これはコミケに限ったことではありませんが、やってみたいことはとりあえずやってみるのが結局一番いいんだと思います。

コミケ関係の作業が落ち着いたら久々に作曲とかやろうかな。

明日のアドカレはえぞえーすが「セカライ5th感想」というテーマの記事を出す予定です。

それでは。

神椿市協奏中。

この記事は「とんえぼ老人部 Advent Calendar 2024」15日目の記事です。

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14日目はえぞえーすの「セカライ4th感想投稿RTA」でした。

投稿RTAならではのスピード感あふれる筆致とライブ参加直後の新鮮な感想を味わえます。

note.com


神椿市協奏中。

突然ですが、皆さんは「神椿」を知っていますか?

私は今年まで知りませんでした。

神椿とは、KAMITSUBAKI STUDIOが展開するネットレーベルやゲームなどのブランド、IPの総称です。

所属しているアーティストは花譜が特に有名ですね。私も神椿は知らなかったものの、花譜は知ってました。

音ゲーマーの皆さんは、SOUND VOLTEXなどで『過去を喰らう』を遊んだことのある方も多いのではないでしょうか。

良い曲ですよね。個人的にはbeatmania IIDXの『ゲシュタルト』もかなり好きです。ゲシュタルトってどんなタルト?

そんな名曲ぞろいでおなじみの神椿の楽曲がいっぱい遊べるゲームがあったら……やりたいですよね?

 

 

というわけでご用意したものがこちらです。

神椿市協奏中。

神椿市協奏中。

iOS/Android, Switch, PS5, Steamの各プラットフォームにて440円で販売中。バイナウ!

どんなゲーム?

ストーリー

舞台は崩壊した神椿市。

AIの少女たちが「魔法」と呼ばれる不思議な歌によって、
世界を修復していきます。

修復がされるたびに明らかになる
「崩壊した世界の記録」と
「崩壊した世界に生きていた魔女の娘たちの記憶」。
AIの少女たちは記録と記憶を収集し、学び、成長し……。

やがて、世界の真実と自分たちの使命を知ることになります。

――という感じで、街を復興しながら物語の真相に迫っていくお話となっています。(公式サイトより)

かわいい。

主人公となるのは神椿のヴァーチャルシンガーユニット「V.W.P」の5人……の「音楽的同位体」である可不、星界、裏命、狐子、羽累の5人です。

ストーリー自体はわりと短めにまとまっていて読みやすい長さです。また、このゲームは買い切り形式なので従量課金制のゲームと違って、ストーリーが追加され続けてサグラダ・ファミリアになることもありません。やさしい。

ゲームシステム

音楽ゲーム部分について説明しましょう。

操作方法としては、奥から手前にスライドしてくるノーツをタップ(PC版はキーボードを押下)して演奏していく、一般的なスマホ音ゲーっぽい形式です。

フォニィ (PRO譜面)

レーンの数は5~7レーンです。

察しの良い方は「なるほど……難易度によって変わるんだな」と考えたかたもいるかもしれません。
なんと全く違います

このゲームは、プレイ中にレーンが増減するというシステムを採用しているのです。

そして「5~7レーン」と言ったのは、5レーンと7レーンだけではなく左右どちらかだけが増えて6レーンになることもあるからというわけですね。

この6レーンというのが結構な曲者で、慣れるまではめちゃめちゃ押し間違えることがあり、一筋縄ではいかないゲームだということを思い知らせてくれます。

 

譜面の難易度は15段階、譜面の種別はEASY/NORMAL/HARD/PROの4種類です。このうち、PRO譜面はHARDでSランク(達成率90%以上)を取ることで遊べるようになります。ノスタルジアみたいな形式ですね。

譜面はHARDCORE TANO*Cの方々が中心となって監修しているだけあり、歯ごたえのある難易度で演奏感のある配置のものが多い印象です。

13以上のレベルからは譜面のジャケットに"GLITCH"という表記とグリッチノイズのエフェクトが付されているものがあり、そういった譜面は3ノーツ以上の同時押しが入ってくるのでかなり難しくなってきます。こういうゲームで横認識とは必要になることあるんだ。

ちなみに上に貼ってあるフォニイのPRO譜面もGLITCH譜面の一つで、レベル13とはいうもののかなり難しいです。5個押しとか普通beatmaniaIIDXでしか見ませんからね。

解禁のハードルの高さもあって音ゲー未経験者がPRO譜面を遊ぶのは相当むずかしいんじゃないかなと思います。HARDの時点でけっこう難しいので。

 

とはいえ、おそらくこの記事を読んでいる人の大半はSP皆伝かインペリアルか虹レだと思うので、まあ余裕でしょう。

14以上の難易度くらいからはガチ押しがいっぱい降ってくる譜面もあります。ガチ押しやりたい人にはぜひ。(DLC収録の『可孵化』など)

収録楽曲

当然といえば当然ですが、収録楽曲は全て神椿関連のものです。

ここでいう神椿関連というのは、神椿のレーベルから出ているものに加えて、V.W.Pの各メンバーの音楽的同位体をボーカルに据えた様々なアーティストの楽曲を指します。

つまり、花譜などが歌唱を担当している楽曲と合成ボーカル音源「可不」などによる楽曲です。

花譜の『過去を喰らう』も当然遊べますし、可不が歌っている『フォニイ』も遊べるということです。

神椿ファンならみんな大好きなあの曲や、いわゆるボカロ曲の世界で有名なあの曲など、楽曲のチョイスも光るものがあります。

自分の場合はこのゲームを始めてからV.W.Pのメンバーの曲をよく聴くようになりました。何を聴いてもとにかく曲がいい!そして歌がうまい!

理芽の『クライベイビー』が特に好きですね。おすすめです。

このゲームのおすすめポイント

ゲームを通して神椿について触れられる

当たり前なんですが、神椿についてゲームを通していろいろ知ることができます。

特に普段から積極的にいろんな音楽を聴くわけではない自分にとっては結構ありがたくて、このゲームを遊ぶようになってからすぐSpotifyで収録楽曲を探してプレイリストに手当たり次第突っ込みました。

そして、花譜をはじめとするV.W.Pのメンバーについても理解を深めることができるので、なんとなく世間の流行に取り残されていくような気持ちみたいなのは無くなりました。

バーチャルなコンテンツとかあんま知らなくて……みたいな人にはちょうどいいですね。

ちなみに、このゲームは神椿の展開する「神椿市建設中。」というコンテンツの一部?あるいはスピンオフ?のようなもので、協奏中のストーリーは建設中に繋がっていくようです。

そういった一連の展開にあたって、ゲーム性がわかりやすい音ゲーというフォーマットで出すことで神椿を知らない人に向けた「ゲートウェイ神椿」のような役割を狙っているみたいですね。

収録楽曲がとても良い

曲が良い。そしてV.W.Pみんな歌がめちゃくちゃ上手い

歌が上手い人の歌っていくらでも聴けますよね。

花譜の『不可解』とか、今にも泣きそうな震えた声で歌っていてプレー中にこっちまでもらい泣きしそうになります。

これで歌ってた当時中学生とか高校生くらいの年齢だったんだから本当にすごいですね。あと大学生になってデビュー当時の中学生だった自分のインタビューとか見て恥ずかしがっている花譜がかわいい。

一方で、音楽的同位体による楽曲も調声が非常によく、まるで本当に人が歌っているかのような自然な発声に驚きました。

合成ボーカル音源については、Synthesizer Vのリアルさに対して受けた衝撃が強すぎて可不などの音楽的同位体の音源が出ているCeVIO AIについてはノーマークだったので、自分の見識の浅さを恥じるばかりです。

たとえば羽累が歌っている『転生』(ATOLS)なんかは本当に自然で、ピッチ補正エフェクトをかけた肉声での歌唱と聴き間違うくらいには自然な発声をしてます。

youtu.be

この曲は春猿火のワンマンライブでもカバーされてるので聴いてみてください。

PCならPHOENIXWANが使える

このゲーム、最大7レーンということでbeatmaniaIIDX用のコントローラーが使えます。

遊び方は簡単!PHOENIXWANを繋いで、ボタンの設定をキーボードモードに変更するだけです。

あとはキーコンフィグでボタンとレーンの対応をさせましょう。真ん中だけは2ボタン必要なので、適当に皿とかE3ボタンとかをアサインすることになります。

PHOENIXWANで遊ぶと普段の慣れた感覚で押せるので個人的にはキーボードより押しやすかったです。

最近はさすがにキーボードで押せるようになっておこうと思ったのでPHOENIXWANは封印してますが、工作ができればこのゲーム用に7ボタンだけのコントローラー作るのもありだなと思いました。

自作キーボードのやり方でキーボード型のコントローラー作るのもいいですね。

ほかにも、友人にはポップンのコントローラーで遊んでる人もいます。

買い切りなので財布に優しい

これ大事だと思います。キャラありきのコンテンツなので見た目としてはプロセカとかああいうゲームに近いですが、ゲーム本体と楽曲のDLC以外に課金要素が無いので形態としてはDeemoとかに近いです。

いま推し活という言葉によってオタクの存在意義が資本主義に呑まれつつある状況ですが、その中で買い切りで遊べるということはとても安心できるんじゃないかと思います。

ちなみにDLC楽曲も一つ一つの楽曲パックはそんなに高くなく、2024年内に出たものについてはシーズンパスを買うことで全て一括購入できます。(この記事が出る時点ではリリースされていない12月リリース予定のDLCも、シーズンパスを買うと購入扱いになるので更新と同時に遊べます)

私はシーズンパスを買いました。今月のDLC楽曲も楽しみです。

まとめ

というわけで、今年一番ハマったゲーム『神椿市協奏中。』についてざっくりご紹介してきました。

Steam版のレビューを見ると賛否両論となってますが、自分としては満足できるゲームだと思っています。

みんなも遊んで、神椿のオタクになろう!

 

というわけで、明日16日は相生あおはで「【失敗談】【解決済】Dドライブを自宅サーバ上で管理してはいけない」だそうです。自宅サーバーがある一般のご家庭の皆さんならドキッとする話かもしれませんね。

それでは。

自作キーボード入門 a.k.a 買ってよかったキーボード2023

はじめに

この記事は とんえぼ老人部 Advent Calendar 2023 20日目の記事です。

696です。今回は皆さんに"自作キーボード"というものをご説明します。

自作キーボードとは?

自作キーボードとはその名のとおり自作したキーボードのことですが、世の中には大きく分けると二種類の自作キーボードがあります。

  1. 基板から自作するキーボード
  2. パッケージ化された自作キットから組み立てるキーボード

今回の記事では後者に当てはまるものの中から実際に買って組み立てたキットを紹介します。

キーボードを自作する意味とは

なんのためにキーボードを自作するかは人によって異なりますが、やはり自分の理想のキーボードを求めるというのが根本的なモチベーションではないでしょうか。

キーボードを自作する際、主にカスタマイズするのは

  • キーキャップ
  • キースイッチ
  • キーマップ

です。

キーキャップはキーボード全体の外見と指に当たる部分の触り心地を、キースイッチは押し込むときの感触とキーの反応速度を、キーマップはタイピング時の効率化を自分の理想に近づけるためにカスタマイズしていきます。

基板から自作するキーボードの場合はキーの物理的な配列を自分好みにすることもできるので、自作キットを超えた先に自分の理想を見出した方々は自前でキーボードを設計しています。

自分好みにカスタマイズしたキーボードは見た目や手触りが非常によく、タイピング時にキーの反応が良好で、効率よく入力することができ、最高です。タイピングという行為の質を極限まで高めてくれます。

実際に自分が買った自作キーボードキット

Quick Paint

まず最初に買ったのは片手デバイスのQuick Paintです。

Quick Paintshop.yushakobo.jp

12個のキーと水平方向に回転するロータリーエンコーダーが使える非常にコンパクトな片手デバイスで、Remapを使うことで自由に入力キーを変えることができます。

キーボードの自作を始めるにあたりまずはミニマルな構成のものから……ということで選んだんですが、個人的にはかなり満足感が高かったです。

通常、自作キーボードというとキースイッチ周りの部品(ダイオードなど)をはんだ付けする必要があるのですが、なんとこのキットではキースイッチとキーキャップを12個用意して本体にはめ込むだけで完成します。

簡単!

キーキャップは無刻印のバラ売りのものを秋葉原の遊舎工房で購入しました。

DSA 無刻印キーキャップ(1個)shop.yushakobo.jp

キースイッチはWuque StudioのWS Morandiを使っています。安価なリニア軸(いわゆる赤軸系)で、非常に滑らかな打鍵感の高品質なスイッチです。

WS Switch Series - WS Morandi 35pcsshop.yushakobo.jp

イラスト制作のスタンダードとなっているCLIP STUDIO PAINT用のショートカットキーがデフォルトでアサインされているのでお絵描きをする人には当然オススメですが、そうでなくとも たとえばCtrlキーを使用するショートカットキーなどをアサインしておいて使うとコピペや全選択などが爆速になり、最強です。

本当に入門用としておすすめの1台です。

Primer16

次にご紹介するのはテンキーのPrimer16です。

Primer16キットshop.yushakobo.jp

こちらはシンプルなテンキーですが、先ほどのQuick Paintと異なり、各種部品のはんだ付けを要求されます。

自作キーボードにおいては基本的にはんだ付けの必要が出てくるので、その練習に最適な1台です。

テンキーとしては通常のキーに加えてオプションでロータリーエンコーダーを付けることもできるのが便利です。

また、キーボードの入力を制御するマイコンを付け替えることでワイヤレス化することもできます。

そのまま組み立てると基板に電子部品の足がむき出しでチクチクするので少し危ないですが、開発・販売を行っている遊舎工房さんでは専用のアクリルケースが別売りされているので、そちらを使用することで安全に使用することができます。

ちなみに私はコナステ版SOUND VOLTEXをプレーする際のプレーオプションの変更にPrimer16を使用しています。このゲームは通常のキーボードについている数字キー(SHIFT同時押しで記号が入力できるほう)ではプレーオプションの変更ができず、"テンキーの"数字キーを入力しなければいけないため、テンキーの付いていないキーボードを使っていた私には非常に重宝しました。まあせいぜい6キーしか使わないんですが。

ちなみにキースイッチはWuque StudioのWS Silent Tactileを選びました。タクタイル軸は内部構造に段差があり、押し始めにカコッと引っかかる感覚(タクタイル感と表現されます)が特徴です。

WS Switch Series - WS Silent Tactile 35pcsshop.yushakobo.jp

WS Silent Tactileはその名の通り静音タクタイル軸というものですが、こちらは打鍵時に衝撃を吸収する部品を内部に追加するのではなくキースイッチの内部構造そのものを通常のタクタイル軸より静かになるように設計してあるらしく、実際わりと激しくタイピングしていても打鍵音は非常に静かです。

その代わり打鍵感は一般的なタクタイル軸と比べるとややスムーズではないかもしれません。少し好みは分かれるところですが個人的には良いスイッチだと思います。

キーキャップはXVXのダブルショット成形のキーキャップを友人から貰っていたため、それを使用しました。少し背が低くて傾斜が付いているので押しやすくて快適です。

XVX 189 XVX Profile Double Shot PBT Keycap Full Setshop.yushakobo.jp

ブルショット成形というのはキーキャップを二層構造で成形するもので、文字の刻印を印字ではなくキーキャップの成形そのものに組み込んでしまっているため、どんなに打鍵しても文字が擦り切れて見えなくなることがないというのが大きな特徴です。ヘビーユースにも耐えるキーキャップを求めている方はぜひダブルショット成形のものを使いましょう。

Primer16
Primer16

Claw44 ver3.1

片手デバイス、テンキーと来て最後はいよいよメインのキーボード。

左右分割型キーボードのClaw44 v3.1です。

Claw44 v3shop.dailycraft.jp

左右分割型キーボードというのは文字通り左右にキーボードがパカッと割れているのですが、中でもClaw44は44キーという非常に少ないキー数で構成されているのが特徴です。

自作キーボード界隈においては左右分割型というのは非常にポピュラーで、日本でよく出ている自作キーボードのキットの大半は左右分割型といっても過言ではないくらいです。

なぜそんなに受け入れられているのかというと、通常の一枚板のキーボードでは腕を狭めて縮こまるような体勢でタイピングしなければいけないのに対し、左右にキーボードが割れていることで腕を自然な角度で広げてタイピングすることができるため疲労を感じることなくいくらでもタイピングに専念することができて快適だからです。

また、左右に分かれていることによって真ん中に物をおいたりなど机の上のスペースを有効活用することもできます。

自分の場合は本を見ながらタイピングすることも多いため、真ん中に本を広げてそれを見ながらキーボードを打てる左右分割型キーボードは、もはや生活に必須のアイテムとなってしまいました。

左右分割キーボードの中でも省キー構成のClaw44を選んだのにはいくつか理由があるんですが、ロータリーエンコーダーをオプションで付けられるというところに特に惹かれました。

あと親指周りのキー配列が使ってみると非常によくできていて、自然な指の動きでタイピングできるようになっているのが満足度高いです。

今では2台持っていて、職場にはWS Silent Tactileを使用した静音構成のものを、自宅用では打鍵感をより自分好みにカスタマイズしてロータリーエンコーダーの数を増やしたものをそれぞれ置いて使っています。

もちろん、この記事も自宅用Claw44を使用して書いています。

使用したキーキャップは先ほど紹介したXVXのダブルショット成形キーキャップ(職場用キーボードに使用)とTraitors Aurora Keycap(自宅用キーボードに使用)です。

Traitors AURORA 108 Keycap Setshop.yushakobo.jp

Traitors Aurora Keycapは色味が良くて買ったんですが、実際に使ってみるとサラリとした手触りの質感が非常によく、また打鍵時の音も心地よいものでした。

通常のキーボード用として買うとキーが少ないこと、やや特殊な横幅のキーなどが多いためレイアウトが限られることなどいくつかデメリットがありますが、Claw44はキーが少なすぎてそんなデメリットなど全く関係なかったので、快適に使用できています。

Traitors Aurora Keycapを使用した自宅用キーボード

自宅用キーボードに使用したキースイッチはGateron Baby Kangaroo 2.0です。このスイッチ、はっきり言って最高です。打鍵感も打鍵音も求めていた理想のタクタイル軸でした。皆さんも買ってみてください。

マジで世界が変わります。キーボードを使うということがこんなに気持ちの良いことだったなんて思いませんでした。

とにかくいっぱい文字を打ちたいと思わせてくれる魅力を持っているキースイッチです。

Gateron Baby kangaroo 2.0 / Tactileshop.yushakobo.jp

PC用のキーボード周りのデバイスは、Claw44と出会ったことで自分の中では旅の終着点にたどり着いたような気がしています。

そのためしばらくはこのキーボードとともに生きていくつもりですが、もしかするといつかまた、より最高のキーボードを求めて旅立つかもしれません。

しかしその時は、もはや市販の自作キットではなく自分で設計していることでしょう。Claw44の完成度の高さを超えられるかは知りませんが。

そのくらいこのキーボードは良いものだと思います。

おわりに

というわけで、駆け足ではありますが今年買った自作キーボードキットを紹介しながら自作キーボードの世界について触れてみました。

"自作"というとどうしてもハードルが高そうに聞こえますが、実際にはそうではありません。

Quick Paintのようにほぼ出来上がっている状態のものにスイッチとキーキャップをはめ込むだけでも自作といって胸を張って良いのです。

もちろん市販のキットに満足できなくなったら、自分で理想のキーボードを設計してみるのも良いでしょう。

キーボードは究極的には単なる入力用のデバイスでしかありませんが、PCを使う上では最もよく触れるものの一つです。

だからこそ、そこにこだわりたいという気持ちは大事にしていくべきだと思います。

皆さんも自作キーボードで自分の理想のキーボードを追い求めてみてください。それでは。

崩壊3rdで読んだほうが良いストーリー一覧

この記事はとんえぼ老人部 Advent Calendar 2023 の9日目の記事です

皆さんに崩壊3rdの絶対に読んだほうが良いストーリーを全てご紹介します。

公式のドキュメンタリーも見ましょう。

それでは。

今までに買ったレコード盤 - とんえぼ老人部 Advent Calendar 2023 day4

はじめに

この記事は とんえぼ老人部 Advent Calendar 2023 4日目の記事です。

696です。とんえぼ創設時からいるのにまだ現役生なのが不思議でなりませんでしたが、今年度末をもってついに現役を退く運びとなりました。というわけで老人部では新顔です。

実は一昨年あたりから、たまにレコード盤を買うようになりました。最近はほとんどサブスクで音楽を聴いていてCD音源を聴くことも少なくなりましたが、だからこそわざわざアナログレコードを回してじっくりと音楽だけを楽しむというのもなかなかに味わい深く、貴重な時間だと感じられるものですね。

というわけで、今までに買った数枚のレコードについて軽く紹介していきたいと思います。

Angel Tears in Sunlight - Pauline Anna Strom

こちらは80年代に東海岸で活動していた New Age/Ambient 系のアーティスト、Pauline Anna Stromの遺作となったアルバムです。

タイトルからも漂ってくる幻想的な雰囲気がメロディ、リズムの有機的な複合で表されており、彼女の作品を初めて聴く人にもおすすめの一枚です。

BandcampやSpotifyでも配信されており、BandcampではCDも販売されています。

Angel Tears in Sunlight - Pauline Anna Strom

私が買ったレコード盤は Clear Blue / White Vinyl というバージョンで、盤面が青と白の混じり合った大理石模様で半透明に透き通っています。(※Bandcampでは販売終了しています)

こういった特殊な色味の盤面のレコードは、音を聴くだけでなく回転中のディスクを眺めることで視覚的にも楽しめるのでお得です。

感傷に浸りたいとき、特に何もなくとも少し気分が落ち込んだとき、これを聴いて一時の幻想に耽ってみるのはいかがでしょうか。

Vacation Package - Bisk

日本人の Electronica 系アーティスト Bisk の最新アルバムです。

めちゃくちゃ音が良くて、初めて音源を聴いたときはビビりました。

Bandcampでデジタル音源もレコードも買えます。

Vacation Package - Bisk

洋の東西を問わず、古くから音楽には様々な理論が説かれてきました。しかし、現代の電子音楽の表現はその理論の中には留まらず、音楽という世界そのものを拡張し続けています。

このアルバムもまさにその一端を担うものだということが、聴けば分かるはずです。

Cracker Island - Gorillaz

世界を代表するカートゥーンバンド Gorillaz の8枚目のアルバムです。

Gorillaz といえばもはや説明不要だと思います。知らない?じゃあせっかくなんでこのアルバムを聴いてみてください。

様々なアーティストの音楽的衝動の集合体であった Song Machine, Season One: Strange Timez を経て、いつもの Gorillaz でありつつ、確実に歩を進めていることが分かるクオリティのアルバムだと思います。

個人的には Baby Queen と Skinny Ape がツボでした。

もちろん表題曲の Cracker Island も最高です。良い曲とめちゃくちゃ良い曲しか入ってません。

しかし Gorillaz のビジュアルも昔と比べるとだいぶ変わりましたね。

Plastic Beach の頃から見比べると Noodle の見た目とかもはや別人では?時間が経つのは早いものだ……。

梵楽 - 野流

二人組のアーティスト「野流」(やりゅう)によるアンビエントスピリチュアル・ジャズを基調とした作品(らしい)です。

彼らの活動に関してはリリース元のレーベルを主催するロックバンド「帯化」のnoteに詳しく説明されています。

最初は「梵楽」というタイトルとジャケットアートに目を引かれて手に取ったんですが、試聴したことで完全に惚れ込んでしまい購入を決めました。

スピーカーから1曲目が流れてきた瞬間、まさに自分の求めている理想のアンビエントと言えるものが眼の前に現れたからです。

激しい音楽ではないものの、とにかく鮮烈な音楽体験がそこにあります。

電子的なサイケデリック体験とは何か、音楽の有機性とは何か、真のアンビエント・ミュージックとは?

そういった疑問への答えがここにあると思いました。

皆さんもそういう体験をしてみませんか?

Plot Zero - Pauline Anna Strom

最初に紹介した Pauline Anna Strom が80年代に活動していた当時のリリースからのリマスター音源です。

このレコード盤は表題曲の Plot Zero のほか、4曲を収録した計5曲入りの LP になっています。

最初に紹介した Angel Tears in Sunlight も含めて、 Pauline Anna Strom の作品は幻想的でありながらも写実的な風景画のようでもあると思います。音色、メロディ、リズムのどれもが精緻で繊細だからこそ、ひとたび聴けば風景までも映し出すような真実味を帯びた音楽になっているんでしょう。

ところで Ambient とはラテン語の ambiēns (逍遥する、両側から囲い込んでいる)から来ています。

彼女の作品がもたらす没入感はまさに音楽の中の風景を"逍遥している"かのようです。

周波数レコード - 東洋化成株式会社 ディスク事業部

東洋化成株式会社 レコード事業

このレコードは音楽作品ではありません。テスト用のサイン波やクリック音がいくつも収録された、音響機器の状態をチェックするためのディスクです。

が、なんか卓球の音とかトラックの音とか入ってます。B面の終わりのほう(中心近くの部分)にはサイン波の周波数を細かく変化させて作られた模様も彫られています。

卓球の音はずっと聴いているとなんだか不思議な気持ちになります。

左右からカコン、カコン、とラリーが続く音が流れ続けてくるだけですが、得体の知れない没入感があって何らかのアンビエント作品を聴いているかのようです。

これは音楽作品ではないものの、より良い音で音楽を聴くためには必須のアイテムと言えるでしょう。

ちなみに私が普段作曲をする際に使用している Eve Audio SC203 では低周波のテスト音が100Hzあたりから聞こえませんでした。

出力音量の小ささとスピーカー自体の小ささからどうしようもないことではありますが、自分の再生環境はまだまだだと言われているようでなかなか悔しいです。

あとで Pioneer S-X950V を使ってもう一度聴いてみようと思います。

おわりに

自分はまだまだレコード盤を集め始めたばかりの初心者なのでこれくらいしか持っていませんが、これからも少しずつ集めていこうと思います。

ちなみに、今月末に発売予定の結束バンドのアナログ盤も予約しました。

結束バンドはCDも持っていますが、レコード盤のマスタリングがどうなっているかがすごく気になります。

それに、やはりレコード盤で音楽を聴く体験は、CDやストリーミング配信でのそれには代え難い魅力を持っているものです。

普段は音ゲーマーとしてゲームで音楽を擬似的に演奏したり、サブスクリプション音楽配信サービスで大量消費的に様々な音楽をつまみ食いするように聴いているからこそ、わざわざディスクをプレイヤーに置き、針を落として腰を据えて音楽に耳を傾けることでゆったりと流れていく時間に身を任せることの意義を感じられるんだとも思います。

皆さんもたまにはレコード盤を回してじっくりと音楽の世界に浸ってみませんか。