この記事は「とんえぼ老人部 Advent Calendar 2024」15日目の記事です。
14日目はえぞえーすの「セカライ4th感想投稿RTA」でした。
投稿RTAならではのスピード感あふれる筆致とライブ参加直後の新鮮な感想を味わえます。
神椿市協奏中。
突然ですが、皆さんは「神椿」を知っていますか?
私は今年まで知りませんでした。
神椿とは、KAMITSUBAKI STUDIOが展開するネットレーベルやゲームなどのブランド、IPの総称です。
所属しているアーティストは花譜が特に有名ですね。私も神椿は知らなかったものの、花譜は知ってました。
音ゲーマーの皆さんは、SOUND VOLTEXなどで『過去を喰らう』を遊んだことのある方も多いのではないでしょうか。
良い曲ですよね。個人的にはbeatmania IIDXの『ゲシュタルト』もかなり好きです。ゲシュタルトってどんなタルト?
そんな名曲ぞろいでおなじみの神椿の楽曲がいっぱい遊べるゲームがあったら……やりたいですよね?
というわけでご用意したものがこちらです。
神椿市協奏中。
iOS/Android, Switch, PS5, Steamの各プラットフォームにて440円で販売中。バイナウ!
どんなゲーム?
ストーリー
舞台は崩壊した神椿市。
AIの少女たちが「魔法」と呼ばれる不思議な歌によって、
世界を修復していきます。修復がされるたびに明らかになる
「崩壊した世界の記録」と
「崩壊した世界に生きていた魔女の娘たちの記憶」。
AIの少女たちは記録と記憶を収集し、学び、成長し……。やがて、世界の真実と自分たちの使命を知ることになります。
――という感じで、街を復興しながら物語の真相に迫っていくお話となっています。(公式サイトより)
主人公となるのは神椿のヴァーチャルシンガーユニット「V.W.P」の5人……の「音楽的同位体」である可不、星界、裏命、狐子、羽累の5人です。
ストーリー自体はわりと短めにまとまっていて読みやすい長さです。また、このゲームは買い切り形式なので従量課金制のゲームと違って、ストーリーが追加され続けてサグラダ・ファミリアになることもありません。やさしい。
ゲームシステム
音楽ゲーム部分について説明しましょう。
操作方法としては、奥から手前にスライドしてくるノーツをタップ(PC版はキーボードを押下)して演奏していく、一般的なスマホ音ゲーっぽい形式です。
レーンの数は5~7レーンです。
察しの良い方は「なるほど……難易度によって変わるんだな」と考えたかたもいるかもしれません。
なんと全く違います。
このゲームは、プレイ中にレーンが増減するというシステムを採用しているのです。
そして「5~7レーン」と言ったのは、5レーンと7レーンだけではなく左右どちらかだけが増えて6レーンになることもあるからというわけですね。
この6レーンというのが結構な曲者で、慣れるまではめちゃめちゃ押し間違えることがあり、一筋縄ではいかないゲームだということを思い知らせてくれます。
譜面の難易度は15段階、譜面の種別はEASY/NORMAL/HARD/PROの4種類です。このうち、PRO譜面はHARDでSランク(達成率90%以上)を取ることで遊べるようになります。ノスタルジアみたいな形式ですね。
譜面はHARDCORE TANO*Cの方々が中心となって監修しているだけあり、歯ごたえのある難易度で演奏感のある配置のものが多い印象です。
13以上のレベルからは譜面のジャケットに"GLITCH"という表記とグリッチノイズのエフェクトが付されているものがあり、そういった譜面は3ノーツ以上の同時押しが入ってくるのでかなり難しくなってきます。こういうゲームで横認識とは必要になることあるんだ。
ちなみに上に貼ってあるフォニイのPRO譜面もGLITCH譜面の一つで、レベル13とはいうもののかなり難しいです。5個押しとか普通beatmaniaIIDXでしか見ませんからね。
解禁のハードルの高さもあって音ゲー未経験者がPRO譜面を遊ぶのは相当むずかしいんじゃないかなと思います。HARDの時点でけっこう難しいので。
とはいえ、おそらくこの記事を読んでいる人の大半はSP皆伝かインペリアルか虹レだと思うので、まあ余裕でしょう。
14以上の難易度くらいからはガチ押しがいっぱい降ってくる譜面もあります。ガチ押しやりたい人にはぜひ。(DLC収録の『可孵化』など)
収録楽曲
当然といえば当然ですが、収録楽曲は全て神椿関連のものです。
ここでいう神椿関連というのは、神椿のレーベルから出ているものに加えて、V.W.Pの各メンバーの音楽的同位体をボーカルに据えた様々なアーティストの楽曲を指します。
つまり、花譜などが歌唱を担当している楽曲と合成ボーカル音源「可不」などによる楽曲です。
花譜の『過去を喰らう』も当然遊べますし、可不が歌っている『フォニイ』も遊べるということです。
神椿ファンならみんな大好きなあの曲や、いわゆるボカロ曲の世界で有名なあの曲など、楽曲のチョイスも光るものがあります。
自分の場合はこのゲームを始めてからV.W.Pのメンバーの曲をよく聴くようになりました。何を聴いてもとにかく曲がいい!そして歌がうまい!
理芽の『クライベイビー』が特に好きですね。おすすめです。
このゲームのおすすめポイント
ゲームを通して神椿について触れられる
当たり前なんですが、神椿についてゲームを通していろいろ知ることができます。
特に普段から積極的にいろんな音楽を聴くわけではない自分にとっては結構ありがたくて、このゲームを遊ぶようになってからすぐSpotifyで収録楽曲を探してプレイリストに手当たり次第突っ込みました。
そして、花譜をはじめとするV.W.Pのメンバーについても理解を深めることができるので、なんとなく世間の流行に取り残されていくような気持ちみたいなのは無くなりました。
バーチャルなコンテンツとかあんま知らなくて……みたいな人にはちょうどいいですね。
ちなみに、このゲームは神椿の展開する「神椿市建設中。」というコンテンツの一部?あるいはスピンオフ?のようなもので、協奏中のストーリーは建設中に繋がっていくようです。
そういった一連の展開にあたって、ゲーム性がわかりやすい音ゲーというフォーマットで出すことで神椿を知らない人に向けた「ゲートウェイ神椿」のような役割を狙っているみたいですね。
収録楽曲がとても良い
曲が良い。そしてV.W.Pみんな歌がめちゃくちゃ上手い。
歌が上手い人の歌っていくらでも聴けますよね。
花譜の『不可解』とか、今にも泣きそうな震えた声で歌っていてプレー中にこっちまでもらい泣きしそうになります。
これで歌ってた当時中学生とか高校生くらいの年齢だったんだから本当にすごいですね。あと大学生になってデビュー当時の中学生だった自分のインタビューとか見て恥ずかしがっている花譜がかわいい。
一方で、音楽的同位体による楽曲も調声が非常によく、まるで本当に人が歌っているかのような自然な発声に驚きました。
合成ボーカル音源については、Synthesizer Vのリアルさに対して受けた衝撃が強すぎて可不などの音楽的同位体の音源が出ているCeVIO AIについてはノーマークだったので、自分の見識の浅さを恥じるばかりです。
たとえば羽累が歌っている『転生』(ATOLS)なんかは本当に自然で、ピッチ補正エフェクトをかけた肉声での歌唱と聴き間違うくらいには自然な発声をしてます。
この曲は春猿火のワンマンライブでもカバーされてるので聴いてみてください。
PCならPHOENIXWANが使える
このゲーム、最大7レーンということでbeatmaniaIIDX用のコントローラーが使えます。
遊び方は簡単!PHOENIXWANを繋いで、ボタンの設定をキーボードモードに変更するだけです。
あとはキーコンフィグでボタンとレーンの対応をさせましょう。真ん中だけは2ボタン必要なので、適当に皿とかE3ボタンとかをアサインすることになります。
PHOENIXWANで遊ぶと普段の慣れた感覚で押せるので個人的にはキーボードより押しやすかったです。
最近はさすがにキーボードで押せるようになっておこうと思ったのでPHOENIXWANは封印してますが、工作ができればこのゲーム用に7ボタンだけのコントローラー作るのもありだなと思いました。
自作キーボードのやり方でキーボード型のコントローラー作るのもいいですね。
ほかにも、友人にはポップンのコントローラーで遊んでる人もいます。
買い切りなので財布に優しい
これ大事だと思います。キャラありきのコンテンツなので見た目としてはプロセカとかああいうゲームに近いですが、ゲーム本体と楽曲のDLC以外に課金要素が無いので形態としてはDeemoとかに近いです。
いま推し活という言葉によってオタクの存在意義が資本主義に呑まれつつある状況ですが、その中で買い切りで遊べるということはとても安心できるんじゃないかと思います。
ちなみにDLC楽曲も一つ一つの楽曲パックはそんなに高くなく、2024年内に出たものについてはシーズンパスを買うことで全て一括購入できます。(この記事が出る時点ではリリースされていない12月リリース予定のDLCも、シーズンパスを買うと購入扱いになるので更新と同時に遊べます)
私はシーズンパスを買いました。今月のDLC楽曲も楽しみです。
まとめ
というわけで、今年一番ハマったゲーム『神椿市協奏中。』についてざっくりご紹介してきました。
Steam版のレビューを見ると賛否両論となってますが、自分としては満足できるゲームだと思っています。
みんなも遊んで、神椿のオタクになろう!
というわけで、明日16日は相生あおはで「【失敗談】【解決済】Dドライブを自宅サーバ上で管理してはいけない」だそうです。自宅サーバーがある一般のご家庭の皆さんならドキッとする話かもしれませんね。
それでは。